モンテッソーリ教育は、
イタリア初の女性医師
マリア・モンテッソーリによって
提唱された教育法です。
そこには、
小さい子どもは
『私たちの未来の希望である』との
モンテッソーリの信念が貫かれています。
モンテッソーリは、
子どもの観察を通して、
子どもに内在する“自分で成長しようとする
エネルギー”に着目し、
人間には、発達の法則があることを
発見しました。
子どもが自ら成長したいエネルギーを、
全身を使いながら、自分の環境を吸収し、
自分の心の世界を広げていく。
それは、自分・環境、
さらに、他者へと広がっていくのです。
周囲の大人は
どのように援助したらよいのでしょう。
それを見つけるには、「観察」です。
子どものありのままを観察して、
今の発達を捉えると同時に、
子どもが自分でできるようになる ―自立。
その自立に向けて、環境を整え、
適切な援助をすることが大人の役割です。
そして、モンテッソーリ教育で
大切にしていること―
それは
自立心・自己肯定感・
自己コントロール力・あきらめない心・
やさしさ・思いやりなど、
目に見えない「心」を育てることです。
子どもが自分で活動を選び、
何度もあきらめずに行い、
繰り返す過程を大切にしています。
自分でできた時の達成感・喜びは
自己肯定感を高めるだけでなく、
他者への思いやりにもつながっていくのです。
赤ちゃんの頃から、
子どもは全身を使って学び続けています。
外でも室内でも子どもの学びは大きいのです。
子どものもつ活動サイクル
子どもには、次のような
活動サイクルがあります。
【第1段階 自由に選ぶ】
どんなに小さい子どもでも、
「自分で選ぶ」を大切にしています。
自分が選んだ活動には、その後の活動の粘り強さや繰り返しが出てきます。
「自由に選べる」環境を大切にしております。
「自由に選ぶ」ことは、人格が成長するための「活動サイクル」の出発点です。
【第2段階 成長のための仕事】
自由に活動を選んだものは、
その子にとって課題を満たす
なにかがあるのかもしれません。
自分が選んだものには、
子どもは持続して関わります。
目と手を使い、知性を働かせながら、
子どもは仕事(“自分の成長”)をしています
【第3段階 集中した活動】
この時期の子どもは、
自分で選んだ活動
(自分の課題を満たすお仕事)に
とても集中します。
敏感期の興味や知性のエネルギーが合致したお仕事にあったとき、深く集中していきます。
【第4段階 本来の善さを表す】
自由に選ぶ→作業→集中→正常化
この一連の活動の一つの周期として人間として人格を成熟させていきます。
表面に見られるさまざまな欠陥が消えて、
その人の奥底に隠れていた
本来の「善さ」が現れます。
マリア・モンテッソーリは、
子どもの観察によって、
これらの周期を発見したのです。
乳幼児期
「手は知性の発達を助けます。子どもは、自分の手を使えるようになると、手を使うことによって環境でたくさんの経験をすることができます。子どもは自分の意識を、それらから知性を、それから意志を発達させるための練習を経験をしなければなりません。人間は働くために、発達しなければならないのではなく、発達するために働かなければならないのです。手の働きは精神の成長の表現です。」(マリア・モンテッソーリ著/アネット・ヘインズ編/中村勇訳『1946ロンドン講義録』より)
生まれてすぐに赤ちゃんは、環境を吸収し始めます。
自分の育つ環境のすべてを吸収するのです。
環境とは、家族の存在、そして、おうちの中そのもの。
見たり、聞いたり、触れられたり、心地よい匂いを感じたり、味わったり・・・五感を通して環境のすべてを吸収していくのです。
0~3歳までは、人間として特に大切な育ちの時期。
このわずか3年の間に言語の習得をはじめ、衣服の着脱など、できることが増えていきます。
いつも一人でできるようにエネルギーを発揮したいのです。
一人でできるようになるように・・・